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金融API連携によるDX 推進戦略
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金融API連携によるDX 推進戦略

マネーツリー編集部
2021
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社会や人々の行動が大きく変容する中、企業も変化に対応し、新たなサービスを創造することが求められています。その際に重要とされるのがDX(デジタルトランスフォメーション)。金融業界において、DXは一体どのように推進していくのがよいのでしょうか。そのカギはAPI連携にあります。

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目次

  • DXとは何なのか
  • DX推進のメリットと注意点
  • 金融API連携によるDX推進
  • 電子決済等代行業者とは
  • 金融APIを活用したDXのツールやパートナーの紹介
  • Moneytree ID について
  • データの利活用
  • プライバシー
  • DXからCXへ

DXとは何なのか

DX(デジタルトランスフォメーション)とは

DX(デジタルトランスフォメーション)とは、「データとデジタル技術を活用し、利用者に革命的な利便性を与えること」を指します。

ここでは、音楽業界を例に分かりやすくご説明します。

音楽の記録媒体は、古くはアナログのレコードでした。そこにデジタルのCDが登場し、更に今ではMP3などの音楽ファイルをデータで購入するのが当たり前になりました。これが典型的なDXです。SNSの発展にともなって音楽を公開、共有するということも容易になり、音楽業界のDXは高いレベルに到達しています。

DXとデジタル化・IT化の違い

DXを、従来のデジタル化・IT化と同じことだと考えてはいませんか。

金融業界でもさまざまな場面でデジタル化・IT化が進んでいますが、DXとは呼べない状況です。

例えば会計ソフトウェアの導入。デジタルで申請や経理処理をおこなえるものの、手入力での作業もまだ多く残されています。革命的な利便性がもたらされたとは言えず、DXのx=トランスフォメーションが完了した状態とは言えないでしょう。

これがデジタル化・IT化とDXとの違いです。

金融業界におけるDXの必要性

現在、日本社会全体ではデジタル変遷期にあります。

社会の動き
金融業界の動き

このような動きの中、冒頭で紹介した音楽業界のDXと同じことが、今後金融業界にも起こると考えられます。

大きな背景は次の3つです。

新規性の高いサービスを提供するためには、金融業界全体のDXの波に備え、先んじて動いていく必要があるでしょう。

DX推進のメリットと注意点

守りと攻めのテクノロジー投資

DXは、社内外のさまざまな場面で推進できます。

IT部門のみならず、企業全体で進めていくことが重要ですが、その際には社内業務効率化などの「守りのテクノロジー投資」と、企業の競争力向上や利益拡大につながる「攻めのテクノロジー投資」のバランスに注意しましょう。(引用:経済産業省

守りのテクノロジー投資

守りのテクノロジー投資の例と、メリットをご紹介します。

攻めのテクノロジー投資

攻めのテクノロジー投資の成功例は、海外で数多く見られます。

事例紹介はこちらの記事で詳しくご覧いただけますが、ここでは、攻めのテクノロジー投資がもたらすメリットをご紹介します。

日本はアメリカに比べると攻めのテクノロジー投資が少ないと言われています(引用:経済産業省)。しかし、DX推進のためには攻めのテクノロジー投資こそが重要。

ここからは攻めのテクノロジー投資にフォーカスし、金融API連携によるDX推進についてご紹介します。

金融API連携によるDX推進

APIの組み合わせで新ビジネス創出

2018年にマネーツリーの最高プラットフォーム責任者・創業者、マーク マクダッドはMark's MICのブログシリーズの「オープンAPIの重要性」でこう語っています: 

「銀行法等の一部を改正する法律(通称: 改正銀行法)」の施行で最初に注目を集めるのは、口座情報や入出金情報を取得する参照系APIですが、既に会計ソフトや家計簿アプリで活用されています。しかし、APIの組み合わせでユニークなサービスを作るマッシュアップ(Web上の公開情報を加工・編集することで新サービスを生み出す)が重要なのです。

APIをうまく組み合わせれば、ゼロからサービスを企画・構築する必要なく、スピーディに利便性のある金融サービスを提供できます。

このAPIの活用を実現しているのが、アカウントアグリゲーションの技術と、オープンAPI (銀行の機能やデータをAPIで公開すること)です。

金融業界におけるAPI化は銀行APIから始まり、現在は保険業界でもAPI化が取りざたされています。他業界でのAPI化が進んで連携できるAPIが増えれば、更にさまざまなサービスを展開できるようになるでしょう。

ITリソースを確保するには

とはいえ社内のリソースも少なく、IT専門技術者の確保も大変な中、どのようにAPI連携を活用してユニークなサービスを作ればよいのでしょうか?

その答えは、自社だけですべてを解決しようと思わないことです。

信頼できる電子決済等代行業者(以下:電代業者)やフィンテック企業と手を組めば、利便性のある金融サービスをスピーディに提供できます。良いパートナーシップを結び、DXを推進しましょう。

電代業者とのパートナーシップ

金融データを連携したDX推進には、電代業者の活用をおすすめします。

電代業者を活用すれば、安全に情報を取得できるだけではなく、スピーディなサービスリリースが可能になります。

電子決済等代行業者とは

2018年6月1日に施行された「銀行法等の一部を改正する法律」により、「電子決済等代行業」に関する制度が開始されました。それにともない、国内で金融機関とAPI接続をおこなうには、銀行法等に基づく登録が必要となりました。

電代業者はお客さまの意思に基づき、銀行の保有するデータを参照、または更新することができます。

マネーツリーは2018年12月27日に電子決済等代行業者として財務局へ登録しています。(登録番号 関東財務局長(電代)第12号)

電代業者活用のメリット

電代業者を活用すれば、個々の金融機関と契約する必要も、金融機関ごとに仕様の異なるAPIへの接続・開発の必要もありません。電代業者とだけ契約を結べば、本質的なサービス開発に集中できるのです。

「サービスごとのお客さまのID/パスワードを、我々自身で取得・管理するのは非常に大変なこと。それを、マネーツリー一社と連携するだけで、さまざまなサービスの情報を取得できるようになるので、本当にありがたいです。Moneytree LINKを導入して3年経ちますが、サービスのクオリティにも対応にも大変満足しています。」
Crowdcast株式会社 代表取締役 星川 高志 氏

電代業者の提供するツールを利用すれば、自社でゼロから取り組むよりも格段に簡単に、DX推進を始められます。

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金融APIを活用したDXのツールやパートナーの紹介

マネーツリーでは、Moneytree IDを利用して、さまざまなサービスのAPI連携を実現しています。

ここからは、マネーツリーが提供する金融APIを活用して、どのようにDXを推進していけるのかをご紹介します。

Moneytree ID について

Moneytree IDとは、ユーザーの金融資産情報を、ユーザーが選んださまざまなサービスにシームレスに連携できるIDです。現在、マネーツリーでは約70社のサービスと連携しており、メールアドレスとパスワードで新規登録またはログインした後、外部サービスへのデータの連携を許可することで、ご自身の金融資産情報をもとにした色々なサービスを簡単に利用できます。

Moneytree IDを使えば、Moneytreeに登録している金融資産情報をお金に関するさまざまなサービスに安全に連携できます。

MoneytreeのMoneytree IDについての説明。Moneytree IDでログインすることで、利用者自身の金融データを必要なサービスに連携し参照することが可能。

ご利用者目線からのMoneytreeIDのメリットについては公式ウェブサイトのMoneytree IDのページをご覧ください。

DX推進のためのツールやパートナー

DXを進めるにあたって、IT技術者は必要不可欠。その際には、社内リソースを確保するだけではなく、フィンテックやパートナー企業と手を組むことが重要です。

業界の知見やニーズおよび技術的な部分を、信頼できるパートナーにサポートしてもらえば、安心安全かつスピーディにDXを進めることができるでしょう。

このセクションでは、DX推進の役に立つサービスをご紹介します。

新規サービス

Embedded finance (埋め込み型金融)

会社名:Moneytree LINKLINK Kit

サービス概要:LINK Kit は自社サービスに資産管理機能を取り入れることができる、複数の異なるOSに対応した埋め込み型金融 (Embedded finance) ツールです。

「LINK Kitはモジュール化した優れたUI/UXのPFM開発ツールです。
DX推進の第一歩として簡単に実装ができ、また、顧客に利便性を提供しつつウォレットシェアも把握できるようになるので、これからの金融機関にとってお役に立てるツールであると考えています。」
マネーツリー プロダクトマネージャー 東 かおる 氏

会社名:TORANOTEC投信投資顧問(株) の「トラノコ福利厚生

サービス概要:誰もが少額からでも簡単にコツコツ幅広い分散投資を行える、TORANOTEC投信投資顧問(株)の資産運用サービス「トラノコ」。「トラノコ福利厚生」は、その「トラノコ」の月額利用料をご契約企業様がご負担することで、在籍する従業員の皆様の将来に向けた資産形成を支援する福利厚生サービスです。管理する企業担当者の事務負担は軽く、初期導入コストもゼロ。正社員からパート・アルバイトまで、すべての従業員の将来を応援できる画期的なシステムとなっています。

「働き方改革により、働き手の働き方も多様化する現代においては、いかに“選ばれる”職場となるかが重要となります。
ぜひ「トラノコ福利厚生」とMoneytree IDを活用し、より求められる職場をDXの力で実現して下さい。」
代表取締役社長 ジャスティン バロック 氏


会社名:ウェルスナビ株式会社

サービス概要:WealthNavi(ウェルスナビ)は、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動で行うロボアドバイザーです。資産運用の目標設定、金融商品の選定、取引、税金の最適化(条件あり)まで、複雑で手間のかかる資産運用の全てのプロセスを自動化しています。

20~50代の働く世代を中心に利用されており、預かり資産の約半分が、金融機関をはじめとする提携パートナーとのサービスです。

「退職金や将来の年金への不安が高まる中、働きながら資産運用することが大切な時代となっています。ウェルスナビは「働く世代に豊かさを」というミッションの下、さまざまな提携パートナーと協力しながら、忙しく働く世代の豊かな老後に向けた資産運用をサポートしています。」
PRチームマネージャー 前野 裕香  氏

プラットフォーム

会社名:クレジットエンジン株式会社 の 「CE オンラインレンディングプラットフォーム

サービス概要:金融機関における融資業務・債権管理業務のDX化を推進する「CE オンラインレンディングプラットフォーム」。

「『"かす"をかえる。"かりる"をかえる。』をミッションに、融資関連業務をオンライン完結できるソリューションを提供しています。
申込から、受付、契約、融資実行、返済、債権回収まで、融資の一連のサービスがオンライン完結で提供できる「CE Loan」によって融資受付業務プロセスの構築が可能です。
また "国内初" となるデジタル債権管理回収サービス「CE Servising」では、AIコールやSMSを活用し、債権回収プロセスを自動化し、回収率向上とコスト改善を実現いたします。
コロナ禍で非対面での対応の需要が増えている中、スピーディにオンラインで対応するための最適なソリューションです。個人・事業性ローン、リースやファクタリングなどの機能をご用意しておりますので、御社サービスに適した機能をカスタマイズして提供することが可能です。」
ー代表取締役 内山 誓一郎 氏

サポートサービス

eKYC

会社名:TRUSTDOCK

サービス概要:TRUSTDOCKはe-KYC/本人確認APIを提供しています。
TRUSTDOCKは銀行口座の口座確認を行う事業者向けに、本人確認と口座確認ソリューションをマネーツリーと協業し新しいサービスを開発しています。

「はじめから対面でのアドバイスを行うのではなく、まずはデジタルできっかけを作り、実際に商品の購入を検討されたタイミングで初めて、顧客は自分の個人情報、資産情報を金融機関に改めて開示して、契約の手続きにつなげるといった体験がこれから増えていくと思います。利便性の高い製品を提供するプロセスで重要になってくるのが、本人確認(KYC、Know Your Customer)のスキームです。」
株式会社TRUSTDOCK 代表取締役 千葉孝浩 氏

プライバシー

会社名:TRUSTeの「日本プライバシー認証機構 ※日本におけるTRUSTe認証機関

サービス概要: TRUSTeは、事業者がOECD (経済協力開発機構)プライバシーガイドラインに基づいた適切な個人情報の取扱いを実践している旨を公表したプライバシーステートメントの内容を審査します。

「GDPRに代表されるような個人情報に関する法規制は世界中で進んでおり、それらは日本国内にも影響を及ぼします。
また、我が国においても2022年に改正個人情報保護法の施行が予定されており、事業者は対応をとる必要があります。
歴史のある成熟したビジネスであっても、今後一般化する先進的なサービスであっても、プライバシー保護は事業の円滑な発展のためには忘れてはいけないポイントです。」
一般社団法人日本プライバシー認証機構 理事・事務局長 齋藤 憲二 氏

このように、専門的な技術の提供やプライバシーの認証を与えるパートナー企業の力を借りることで、安心かつ安全にDXを推進できます。


データの利活用

ここまで、既存プロダクトの向上や、新規サービスで顧客により良い体験を提供するために、DXを進める提案をしてきました。

DXを推進すると、多種多様なデジタルデータを集められるようになります。その時重要になるのが、より良い顧客体験を提供するために、集めたデータを分析し、利活用することです。

このセクションではデータ利活用の方法とメリットをご紹介します。

データ利活用の例

マネーツリーでは2020年12月に、Moneytreeアプリ利用者の匿名化データを利用し、「現金派とキャッシュレス派、出費が多いのはどちらか?」という分析をおこないました。その結果、キャッシュレス派の利用者のほうが、月平均8,525円支出が少ないことが判明しました。キャッシュレス派利用者に対し、この差額を利用して投資サービスに誘導することも可能です。

また、Moneytreeアプリ利用者へのゲストアンケートでも、さまざまなデータを分析しています。

このように、集めたデータを分析することで、以下のような用途に活用できます。


リアルタイムでお客さまのデータを分析すれば、よりタイムリーなサービス提案も可能になります。(金融データ利活用のさまざまなアイデアは、こちらのブログでご提案しています)。

金融サービス仲介業

また、2021年から「金融サービス仲介業」が始まりました。既存の金融機関のみならず、さまざまな業界の企業が新たに金融サービスに参入することでしょう。

その際に重要になるのは、データの利活用による商品のパーソナライズです。

「複数の金融サービス仲介業者で同じような商品を並べても、結局価格競争が起きるだけで、似たりよったりのサービスしか提供できません。そうではなく、消費者に、その仲介業者で申し込むことの付加価値を感じてもらうことこそが重要です。」
Fintech協会理事、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業弁護士 落合孝文 氏

金融サービス仲介業が可能にする新しいビジネスモデルの要は、いかにお客さまに合った商品提案をスムーズにおこなえるのか。データの利活用が、金融サービス仲介業へ参入するチャンスです。

プライバシー

さらに、顧客データを利活用する際は、利用者のプライバシーを守り情報を保護することを決して忘れてはいけません。

マネーツリーではプライバシーを尊重するため、さまざまな取り組みをおこなっています。

プライバシーを尊重する社内体制の整え方や、プライバシーとデータの利活用を両立する方法を、マネーツリーの代表取締役、ポールチャップマンがプライバシーブログシリーズ、「プライバシーゴーグル」で共有しています。ご興味のある方はご覧ください。


DXからCXへ

ここまで、金融業界におけるDXについてご紹介してきました。最後に、DXを推進する際に重要なCX(カスタマーエクスペリエンス)について触れておきましょう。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは

CXとはサービス認知から実際の購入、使用に至るまで、「顧客としてのあらゆる体験」のことを指します。DXによってデータの利活用が可能になり、より詳細な顧客ニーズを把握できるようになれば、新たなCXを提供できます。

優れたUI/UX がDX成功の鍵

CXを向上させるには、サービス自体の優れたUI/UXが重要です。

金融サービスのDXにおいて、顧客に選ばれるために大切なことは、安全性と優れたUI/UXとが一体となって提供されることです。

海外における金融サービスDXの成功事例は、いずれも優れたUI/UXを提供しながら、CXの向上を実現しています。

マネーツリーのDX支援

マネーツリーは金融サービスのDX支援を進めるべく、「プロフェッショナルサービス」という新たなビジネスを立ち上げました。

「プロフェッショナルサービス」とは、金融サービス提供事業者との協働のもと、マネーツリーが持っている金融データのアグリゲーションテクノロジーと、これまでサービス設計、運用してきた知見を提供することで、新たなCXを創出していくものです。

Moneytree LINKの新事業プロフェッショナルサービス概要。金融データプラットフォームのMoneytree LINKのテクノロジーと資産管理アプリMoneytreeのかいは開発や運用からの知見

これからもマネーツリーは、皆様の良きパートナーとして、スタートアップマインドでサービスの構築のサポートを提供してまいります。

まとめ

DXの推進は、自社でゼロからスタートする必要はありません。マネーツリーや、さまざまなパートナー企業とパートナーシップを組めば、簡単に金融APIを連携することが可能です。DXをどのように進めてよいかお悩みの方や、新たに金融サービスに参入されたい方は、ぜひ一度、金融サービスDXのプロフェッショナルである、マネーツリーにご相談ください。

「金融API連携によるDX 推進戦略」を、読みやすいe-book版でダウンロードする

筆者プロフィール

マネーツリー編集部

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