結婚をして子育て前の世帯は人生のうちで最も貯金を増やせる時期です。しかし、自由なお金が多いにも関わらず支出も増えて貯金ゼロのカップルも多いのが現実です。子育て前カップルの家計スリム化のポイントは次の3点です。
・小遣いの管理方法を決める
・イベント費には予算を
・住居費は世帯の手取り月収の30%以内
パートナーがお金を使い過ぎるなどカップルの間ではお金のもめ事も多いもの。浪費が原因で2人の関係性が悪くなることもよくあるものです。後々トラブルにならないためにもできれば婚約中や新婚3ヶ月以内に(過ぎた場合はできるだけ早く)お小遣いの管理など夫婦のお金管理の方法を決めておきたいものです。
お金管理の方法は主に次の3つ。
A:妻が家計を管理して夫にお小遣いを渡す方法
B:夫が家計管理をして妻に家事費を渡す方法
C:夫婦別会計で共通の支出を家計口座で管理をする方法
ポイントは
「お金に強いほうがメインで管理をするということ」
また、管理を任せた方も、定期的に明細を見るなどをしてチェックをすることが重要です。Cの夫婦別会計の場合、収入割合で家計口座に入れると公平です。ですが、新たに支出が増えたり、出産などで妻の収入が減った時に都度見直しが必要です。また、余ったお金はそれぞれが管理だと、片方は貯めているのに片方は貯金がゼロなど不均衡になりやすいです。夫婦用の貯金口座も作ってそこにもお互い入金できるとよいですね。
お小遣いの目安は手取り収入の10%程度と予算を決めておきましょう。例えば、それぞれ手取り月収が25万円なら、月2.5万円ずつなど。携帯代、イベント費などは含めずに、それぞれのランチや飲み代や趣味代をお小遣いからやりくりしているカップルが多いです。
子育て前のカップルの場合、週末は小旅行に行ったり、まとまった休みに海外旅行に行ったり、記念日に素敵なレストランに行ってプレゼントを交換するなどのイベント費用が膨らみがちです。しかし、すべて「2人のお金」という感覚を持つことが大切です。
高価なプレゼントをパートナーにおねだりしても、2人のお金を減らすことになってしまいます。そういう感覚を持つだけでも、支出の抑制効果が働きます。老後まで2人で豊かに暮らすためにも余裕がある時にすべてを使い切るのではなく後々のために残しておくことも大切です。
イベント費の平均的な出費は、手取りの10%に押さえましょう。もちろんカップル間の価値観で旅行の頻度やイベントごとへの関与が異なると思いますが、優先順位について話し合うことで、価値観を共有することもできます。お互いの意見を尊重しつつ、一緒にイベントを楽しめるとベストですね。
家を買うか買わないか迷う時期ですが、子供の数も学校も定まる前に住宅を購入するのはリスクが高いので慎重に考えましょう。賃貸の場合は、住居費は世帯の手取り月収の30%以内に留めるようにしましょう。例えば、カップル合算の手取りが月50万円なら、家賃15万円以内の物件を探すなどです。契約の際に条件面で交渉をしたり、駅近で築浅など人気のある物件を避けるなどの工夫も。余裕があるのでよい暮らしをしがちですが、後々のことも考えて毎月の固定費となる住居費が過大にならないように工夫をしましょう。
また、家を買う場合は、返済額を手取り月収の25%に留めるようにしましょう。住宅ローンを組む場合は、そのポイントを「住宅ローン3タイプの特徴と合わせて確認したい控除や給付金」でも紹介していますので、参考にしてください。
夫婦共働きで子育て前カップルは世帯の手取り収入の30%前後は貯金をしたいものです(片働きの場合は20%前後など)。貯金をした上で余る分に関しては自由に使ってもよいですが、上記3点の膨らみがちな支出を管理して貯金をしっかり殖やしていきましょう。子育ての開始前には、勤続年数×50万円程度の貯蓄があるとスムーズに計画を進められる傾向にあります。ぜひ目標値の参考にしてください。
外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。
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