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使う前に貯める「先取り貯蓄」で自然と貯まる家計に
家計を見直す

使う前に貯める「先取り貯蓄」で自然と貯まる家計に

風呂内亜矢
2018
01
29

1月は、家計の仕組みを見直すのに良い機会です。年の初めというフレッシュな気持ちは新しいことを始めようという気持ちにさせてくれますし、1月から始めると1年間の集計もとりやすくなるからです。節目の1月、自然と貯まる家計を組み立ててみましょう。

貯蓄用銀行口座に自動的にお金を流す

貯まる家計を作るために外せないのが”先取り貯蓄”です。お給料が入って、生活費を使って、余ったお金を貯蓄するのではなく、お給料日にすぐさま貯蓄分を差し引いて、残りのお金で生活をする方法です。先に貯蓄分をとるため、先取り貯蓄です。

先取り貯蓄を自動的に行うためには、最近銀行で増えてきた”定額自動入金サービス”が便利です。ソニー銀行、じぶん銀行、イオン銀行などで実施していますが、該当の銀行口座に毎月一定額、自動的に手数料無料で入金させることができます。

独身や共働きでは手取月収の2~3割を、子育て中の家庭では手取月収の5%程度を目標に先取り貯蓄できると理想的でしょう。

手数料少なく動かすお金の流れを決める

銀行口座の設計は大切で、貯蓄以外にもこんなケースがあります。

夫の給与口座はA銀行、妻もA銀行の口座を持っていて残高が多いため他行振込の手数料がかかりません。家賃などの生活費は夫名義のB銀行から引き落とされることになっていて、2人がそれぞれB銀行に入金をしています。

このケースでは、例えば夫が負担している生活費の金額を、妻のA銀行口座に入金。同じ銀行のため手数料がかからないケースが多いですね。妻は自分の負担額を加算して、夫名義のB銀行口座に入金。妻の口座は他行振込に手数料がかからないため、コストを抑えられます。夫婦が家庭に出す金額は変わりませんが、このルートの方が手数料を抑えることができます。

夫と妻、両方の名義で貯蓄額を増やす

先ほどの例だと、二人の入金額が家庭としての貯蓄額を含む(生活費として使う金額より多い)場合、夫名義の貯蓄が一方的に増えることになります。

背景やニーズが違う夫婦では、こうした管理方法はどうでしょうか。

夫の給与口座・生活費口座・貯蓄口座、妻の給与口座・生活費口座・貯蓄口座の6口座を使い分ける方法です。お互い給与の半分を生活費口座に自動的に入金させる流れをつくって、生活費口座については、Moneytreeなどの家計簿アプリを使って口座連携させます。

家賃や、生活費用のカードの引き落としなどをどちらの口座から行うか決め、余った金額は家庭用の貯蓄として貯めていきます。

家計簿アプリで連携しているため、夫も妻もお互いの生活費口座だけは確認することができ、家庭としての収入と支出も一緒に把握ができます。実際の銀行口座は夫と妻とが分かれているため、比較的公平に自分名義の貯蓄額を増やすことができます。

給与口座や貯蓄口座は連携させていないので、自分の判断で采配できます。家庭としての貯蓄以上に貯めたい場合は、それぞれが自分名義の貯蓄口座に自動入金させるよう設定します。

年始の貯蓄残高だけはチェックしておいて

このように、銀行口座の定額自動入金の仕組みを使って、自動的にお金を流し、一定割合の金額を取り分けるなど仕組みを作ってしまうことが、貯まる家計のポイントになります。今回は、いくつかの事例を紹介してみましたが、ぴったり合うお金の流れは各家庭によって違うはずです。今年の我が家のお金の流し方を考えて、効果的な銀行口座の使い分けをできると楽な上に貯めやすくなります。

ちなみに、年始時点での貯蓄の残高はぜひチェックしておいてください。簡単ですが、家計の状況を把握するのに有力な情報になります。年末になったら、その時の残高と比較して、1年を通して赤字だったのか黒字だったのかをチェックすることができます。家計簿をつけなくても、ざっくり家計状況を把握できるため、大きな収穫になります。

貯まる仕組みの作り方については、「2018年から始まるつみたてNISAって?」も参考にしてみてください。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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