スマートフォンの普及によって、いつでもどこでもインターネットを使えることが当たり前のことになりました。特に、TwitterやFacebook、LINEなどのソーシャルメディアサービスを使うことで、より生の情報を入手することも発信することも可能になっています。
情報を広く発信することが可能になる一方で、情報の受け手にとって不快な情報が意図せず発信されることによって、個人が特定されて攻撃されるなどの『炎上』といわれる現象も発生するようになりました。企業にとっては炎上のリスクには注意しながら、ソーシャルメディアを上手に使いこなしてお客様を増やしていきたいところです。
しかし、ソーシャルメディアと一口に言ってもさまざまなものがあります。どれを選んでどのように活用すればよいのでしょうか?
ソーシャルメディアの中で代表的なものに、Facebook、Twitter、LINEの3つがあります。それぞれ特徴がありますので、特徴を抑えて自社に合うものを選びましょう。
Facebookは、3つのソーシャルメディアの中で一番実名性が高いサービスです。したがって、企業側としても最も顧客に信頼してもらいやすいサービスです。企業用のFacebookページを作成することで、「いいね」や「フォロー」をしてくれた人たちに対して情報を発信することができます。ホームページの簡易版として位置づけている企業も多くあります。情報の受け手から見ると、自分のFacebookの画面に他のフレンドの投稿と同じように情報が流れてきます。
Twitterはその名の通り、「つぶやき」を発信するサービスです。つぶやきですので、140文字までしか発信することができません。また、3つのサービスの中で最も匿名性が高いため、他のサービスに比べて情報の受け手が情報の信頼性に対して最も敏感です。Facebookのように専用のページを作るものではないので、個人のアカウントと同じ手続きで企業用のアカウントを登録して利用します。
LINEは3つのサービスの中で最も双方向性が高いサービスです。それは、「情報発信」を目的としている他の2つのサービスとは違い、「対話」を目的としているためです。LINEの特徴であるスタンプを利用することで、軽いタッチで感情を表現することができます。企業で利用する場合はLINE@というサービスを利用します。
それぞれのサービスの特徴を以下にまとめます。
ではどれを活用すればよいのでしょうか?それぞれのサービスの特徴は上に述べたとおりですが、目的別に使い分けると良いと思います。
たとえば、自社の商品やサービスの特徴を広く知らせたいのであれば、信頼度が最も高いFacebookが向いているでしょう。一方で、顧客と1対1のコミュニケーションを行いたいのであればLINEやTwitterが向いているといえます。情報の発信頻度が高ければLINEよりもTwitterの方が向いている、ということになります。
特に、認知度を向上させることを第一に考えたいフリーランスや中小企業の場合、Twitterで身近な情報を発信し続け、徐々にファンを増やしてからFacebookページの解説などに移ると良いでしょう。
それぞれのサービスについて様々な特徴がありますが、共通しているのは、濃淡はあれ双方向性があるということです。FacebookもTwitterもLINEも顧客とダイレクトにメッセージのやり取りをすることができます。そのため、メッセージを発信するときには直にお客様と接しているつもりで発信する必要があります。といっても難しいことを言っているわけではなく、接客をするときと同じような感覚で、企業側の生の情報を伝えることに気を配りましょう。
ここでやっていけないのは、あからさまな宣伝行為と受け取られかねない情報発信です。インターネットが発展する前と違って、顧客は目が肥えていますので、宣伝の匂いを敏感に嗅ぎ分け、宣伝とわかった瞬間に離れて行きます。なるべくかざらない生の情報を伝えることに専念しましょう。
もう一点注意することがあります。それは、「根気強く長期スパンで続ける」ということです。顧客は多くの情報に囲まれているので、なかなかファンにはなってくれません。ファンになっていただくためには、企業側の生の情報を根気強く、ちょっと面白く伝え続けることが必要なのです。
ソーシャルメディアのアカウントはインターネットに接続する環境さえあればすぐに作成することができます。上記のように留意する点はありますが、気軽に使えるツールであることは間違いありません。ぜひ有効活用して営業活動に役立ててくださいね。
1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。 大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。 趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。
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