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世界の賢者から学ぶ資産運用の第一歩「リスクを抑えて投資を始めるには」
将来に備える

世界の賢者から学ぶ資産運用の第一歩「リスクを抑えて投資を始めるには」

花輪陽子
2018
04
05

現在、銀行の普通預金の利息は0.001%程度、定期預金の利息は0.01%程度、個人向け国債の場合は0.06%(第95回債、変動10年)です。つまり、預金や国債などの「安全資産」だけでは3%の利回りを目指すことが難しいと言えます。今回はリスクを抑えながらリターンを狙う国際分散投資の方法を詳しく解説していきたいと思います。

国際分散投資のすすめ

預金の利息には満足できないという場合、運用利率を上げるには、運用資産に「株式」などのリスク資産を加えていくことも必要になります。イボットソン・アソシエイツ・ジャパンによると、日本株の期待リターンは6〜8%、先進国株の期待リターンは7〜9%、新興国株の期待リターンは9〜11%と言われています。成長著しい新興国の株式は高いリターンが期待できます。

反面、標準偏差と言われるリスクも高く、日本株と先進国株は20%、新興国株は30%とリスクも大きくなります。標準偏差は統計学上の指標のひとつで、過去のデータから求められます。具体的には、「年間平均リターン±1標準偏差に収まる確率は68.3%」、「年間平均リターン±2標準偏差に収まる確率は95.4%」と見ることができます。

例えば、期待リターンが7%、標準偏差が20%の場合、1年後のリターンは、約68%の確率でプラス27%〜マイナス13%になり、約95%の確率でプラス47%〜マイナス33%になるということになります。

標準偏差を二倍すると、年間の最大損失の目安を計算することができるので、投資額を決める目安になります。例えば、標準偏差が20%の場合、年間最大損失は40%ということになります。「株」と聞くと、「損しそう」、「こわい」というイメージをお持ちかもしれませんが、 具体的な上下のぶれ幅を把握することができ、不安解消にも繋がります。

また、できるだけリスクを抑えながらリターンを得るには株式と債券に分散投資を行うことが重要になります。半分は預金や個人向け国債にしておけば、元本の変動に晒されるのは株式に投資をしている半分になるからです。

事例として下記の通り、自分の資産を分布し、期待リターンと標準偏差を表記します。すると、金融商品を組み合わせたポートフォリオの期待リターンと標準偏差は次のようになります。

リスクを抑えて投資を始めるには

ポートフォリオの期待リターンは4.7%、標準偏差は14.5%となります。つまり、日本株だけを持つよりも標準偏差を下げることができ、期待リターンが低い債券を40%加えているのに関わらず、期待リターンも5%に近くなります。分散投資をすることによって、リスクを低減させる効果があるのです。

先進国株式は期待リターンが高く、標準偏差も日本株と同程度のためにポートフォリオに加えたい資産クラスになります。投資に慣れてもう少しリスクを取れるようになったら、新興国株式にもチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

個別株ではなく投資信託がオススメ

また、株式も個別株に投資をするのではなく、初心者におすすめするのが、十分に分散された 「投資信託」を利用することです。投資信託は、複数の企業の銘柄が組み入れられたパッケージ商品です。つまり、個別企業のニュースを日々追い続ける必要がありません。日経225やダウ工業株30種平均に連動するような投資信託もあるのでニュースを見れば値動きをすぐに確認できるので分かりやすいでしょう。

できる限り安全に運用するには、リスクのある商品は小額で始めること、分散をすることが大切になります。現在では、投資信託も月100円から積み立てられる商品もありますし、楽天ポイントなどポイントを利用して投信の買い付けができる場合もあります。ポイントであれば減っても良いと思いやすいのではないでしょうか。つまり、給料が少なくても無理なく資産運用を始めることはできるのです。

国際分散投資となるとなんだかハードルが高そうに思えるかもしれません。ですが、日本のオンライン証券などを利用し、投資信託を利用すれば、円建ての外国株投信を購入することも可能です。日本にいながらも少額で国際分散投資ができる便利な時代なのでぜひ少しずつ試してみましょう。

筆者プロフィール

花輪陽子

外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。

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