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住宅購入はいつが買い時?消費税アップ、すまい給付金の影響は
将来に備える

住宅購入はいつが買い時?消費税アップ、すまい給付金の影響は

風呂内亜矢
2018
05
25

知るだけでお得な制度の情報を、過去のブログ記事「4月以降、生命保険は安くなり、医療保険は高くなる?」「2018年度税制改正案は?どういうケースで増税に?」「申請するだけでもらえるお金」などで紹介してきました。

来年(2019年)10月に消費税の税率が8%から10%に引き上げられる予定です。2%の税率アップは、住宅など大きな買い物に対する影響が気になっている方もいるのではないでしょうか。今回は、住宅購入について紹介したいと思います。

住宅ローン減税は変化なし、すまい給付金は少し増える

購入する物件の価格(消費税は土地にはかからないため、以下物件価格は建物部分等を指す)が1,000万円の場合、消費税が8%ならば80万円、10%ならば100万円となり、20万円の差が生まれます。こうした消費税率変更の影響を抑える目的で「すまい給付金」という給付金が創設されています。受給額は物件取得時に適用される消費税が8%か10%かや、収入などで異なります。

消費税8%で取得した場合は、収入の目安510万円以下で最大30万円、消費税10%で取得した場合は、収入の目安775万円以下で最大50万円の給付金を受けることができます。

例えば、目安の年収400万円で持ち分100%で物件を取得した人の場合、消費税8%だと30万円、消費税10%だと50万円と、受け取ることができるすまい給付金に20万円の差があります。物件1,000万円あたり消費税2%の影響は20万円なので、給付金が増える金額よりも消費税アップの影響が大きくなるケースが多そうです。一方、目安の年収520万円の人の場合、消費税8%だとすまい給付金は受け取れませんが、消費税10%だ40万円受け取ることができます。2,000万円の物件を購入した場合の、消費税額の差額と同じになりますね。

すまい給付金の金額は年収だけでなく扶養家族や各種税控除の影響を受けるため、上記はあくまでサンプルですが、通常はすまい給付金の比較だけで考えると、消費税率が8%のうちに購入する方が、概ね有利でしょう。

なお、住宅ローン減税の対象額などの条件には税率による変化はありません。

親からの贈与が受けられる場合、10%の方が有利なケースも

すまい給付金や、住宅ローン減税の観点だと、単純な取得価格が2%低くなる、消費税8%での購入の方が概ね有利なように見えます。ところが、親からの住宅取得にまつわる贈与が期待できる家庭では、むしろ消費税10%で取得した方が有利な場合もあります。

2020年3月31日までの取得の場合、親から住宅取得のために贈与を受けた場合に非課税となる限度額が消費税8%なら700万円、消費税10%なら2,500万円となります(省エネ等住宅の場合それぞれ500万円限度額が引き上がります)。

親族全体の資産で考えると、物件の取得額が高くなることは嬉しくありませんが、各家庭単体で見ると、まとまった金額を非課税で受けられるメリットは大きいでしょう。親族全体でみても、非課税で資金を動かせるメリットの方が大きいケースもあります。

2019年10月以降の引き渡しでも消費税8%になるケース

消費税率は、物件の引き渡しを受ける時の税率が適用されます。そのため、2019年10月に消費税率が10%になれば、以降に引き渡しを受ける物件は、原則、消費税率は10%が適用されます。

しかし、工事を伴う契約においては半年間の経過措置がとられます。リフォーム工事や、注文住宅、マンションでも壁や床のカスタマイズが行えるものなどでは適用されます。こうした物件を購入する場合、新しい税率が適用される6ヶ月前(現状の予定だと2019年3月末)までに契約をしておけば、工事などが半年以上かかり、引き渡しが2019年10月を超えた場合でも消費税8%で物件を取得することができます。

ここまで、消費税率や、それに伴う税制の違いなどをお伝えしてきましたが、物件価格そのものが変動することも考えられます。消費税率が5%から8%に変更になった2014年は、消費税5%で取得できる3月までに向けて駆け込み需要があり、物件価格が上がる事例もありました。

また、そもそも住宅ローンを利用する場合、勤続年数や健康状態など、環境が整っているときに有利な融資条件が利用できるなど、物件価格以外に支払総額に影響を与える要素もあります。

制度の変更や、考えられる影響は気にかけつつも、自分のライフイベントや家計の状況を主軸に、慌てることなく慎重に物件を選んでいけると理想的です。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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