2016年、マイナス金利時代に突入したのは皆さまもご存じと思います。マイナス金利と聞くと、「例えば銀行に預けているお金に利息がつかずマイナスになるのでは?」と、導入された当初思われたかもしれません。
基本的にはそのようなことはありませんが、企業や家計にもその影響は及んでいますし、今後もしばらくはこの状態が続くと予想されています。
マイナス金利と賢く付き合っていくために、いま一度状況を整理してみましょう。
マイナス金利は安倍政権の物価上昇率目標2%を目指して、日本銀行が異次元の金融緩和政策を行ったものです。 金融緩和にも大きく2つあります。
①国債などを日本銀行が買い入れて世の中のお金を増やす量的緩和
②金利の引き下げ
金利の引き下げは段階的に行われてきていましたが、ついに金利が0%を下回ることになりました。民間銀行が日本銀行に預ける新規の当座預金の金利をマイナスにすることによって銀行に貸し出しを増やさせ、企業の設備投資などを促進する狙いがあります。設備投資を活発にして業績を上向かせて消費を活発に・・・という流れです。
また、これまでは定期預金の利率は普通預金などの利率に比べると高かったのですが、その金利差が小さくなってきています。日本銀行によると、2016年9月、企業や個人が金融機関に預けた普通預金や当座預金などのいつでも引き出し可能な「預金通貨」の残高が、1ヶ月間の平均で576兆円でした。去年の同じ月と比べると8.6%の増加と、13年半ぶりの高い伸び率で、金額としては過去最高となりました。反対に定期預金の残高は1.2%減少しています。
預金利率が超低金利の状態が続いているため、あまり預金として保有していても資産を殖やすことが難しい状況にあります。不動産や株式など投資にシフトするのも1つの手段になるでしょう。
不動産投資の場合、民間銀行の融資が以前よりはしやすくなっており、金利も低いので返済金額は少なくなっています。株式のように毎日の値動きをウォッチする必要もありません。ただ、売却するにしても長期的に保有することになるので、目先の利益にとらわれるのはお勧めできません。
株式投資やFX投資の場合、預金や不動産投資よりもリターンが大きく、さらに短期的に利益を得ることも可能になります。しかし、当然、毎日の値動きには注意する必要があります。
まずは、緊急で引き出さなければならないお金はどれぐらいなのか考えてみましょう。それ以上に投資することは危険でしょう。あとは各人の性格にもよりますが、預金に重点を置きつつ、数年は動かさないであろうと思われるお金については投資に振り向けてみるのも現代では有効になるでしょう。
公認会計士、中小企業診断士、販売士1級、登録政治資金監査人。 1986年大阪府大阪市出身、東京都港区在住。大阪市立大学経済学部卒業後、大手監査法人に入所。上場企業の監査を中心に、製造業、小売業、医薬品業、金融業、学校法人などの監査業務に従事。「継続は力なり」をモットーに、会計・税務・資金調達の面からコツコツ努力する経営者の方をサポートできるよう活動中!
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