前回のブログ、Part 4で前述したように、楽天はリアルに出ていこうとしたのですが、これまではあまりうまくいきませんでした。Tポイント、ポンタに続く三番手のハンデは予想以上に大きかったということです。ポイントに関する施策を根本的に考え直す時期にきているといえるでしょう。
できれば、ミセス・ミキタニに登場してもらってアドバイスをしてもらえればいちばんいいのですが、そうもいかないでしょうから、私が代わってひとこと提言をしたいと思います。
共通ポイントの分野も競争が激しく、Tポイント、ポンタに続いて楽天市場がでて、それに続いて、ドコモ、JR、イオンといった大企業が参入してきました。これらは、Tポイント、ポンタを第一世代とすれば、第二世代といえばよいでしょう。そして、いずれも、2000万人から5000万人という膨大な会員数をもっている大企業です。
したがってインフラづくりに力をいれるTポイントやポンタといった購買情報で商売しようというポイント事業者とは違います。あくまでも自分らの会員のために仕事をしようという姿勢を強くもっています。ですから、一業種一社といった排他的ルールには全くこだわっていません。そういう面からみると、第二世代といわれるドコモやJR、イオンに楽天は似ています。
この点をしっかり理解しておく必要があります。膨大な数の会員へのサービス提供を楽天は使命としています。会員のために、会員が喜ぶところと提携して利用するという立場です。したがって、一業種一社のこだわりはありません。そうした点も非常によく似ているのです。
その意味でも、Tポイントをモデルにする必要は全くないのであって、自分の手持ちの会員を大切にしながら外に出ていくという形にしたほうがいいのです。
すでに多くの優良会員を抱えているのですからその会員たちの要望や期待に応える施策を進める、つまり、第二世代との関係をうまく調整したほうがいいということです。そうすることで、Tポイントへの対抗も可能になります。
では具体的にどうするかというと、たとえば楽天が加盟店開拓する際にドコモに声をかけ、同じ店で、ドコモのポイントも楽天のポイントも使えるようにするといった方法が考えられます。JRとのコラボでもよいですし、イオンとの組むことも可能です。
これが実現すれば、楽天と第二世代の間で大きな相乗効果が得られるはずです。楽天の顧客は高額所得者というよりは庶民が多く、第二世代の顧客にはドコモのような富裕層が多いということを考えると、両者の顧客が食い合うことはありません。客層が広がることによって店側も大きなメリットが得られるからです。
海外での事業展開が半ば頓挫したいま、楽天は成長のためにはあらためて国内に目を向け、販売力を強化する必要があります。そのためには今の楽天経済圏だけで自足するのではなく、どこかと提携することで、楽天経済圏そのものを拡大させていくのが得策でしょう。
そう考えると第二世代企業との協力・連携は有力な選択肢のひとつになると思います。今後共通ポイント分野での新しい合従連衡の動きがでてくると予想されます。私たちはそれに備えてポイント選びをしなければなりません。いよいよ難しい時代になってきました。
消費生活ジャーナリスト。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動する。ウェブサイト:<a href="http://iwataworks.jp" rel="nofollow" target="_blank">上級カード道場</a>
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