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世界のお金持ちから学ぶお金とのつきあい方[前編]
将来に備える

世界のお金持ちから学ぶお金とのつきあい方[前編]

花輪陽子
2017
12
18

ボストンコンサルティンググループの世界の家計金融資産に関する調査(2015)によると、国別で金融資産が1億ドルを超える超富裕層世帯の割合が多い国は、1位が香港(10万世帯あたり15.3世帯)で2位がシンガポール(同14.3世帯)でした。両国とも税金の優遇を与えることによって、富裕層を呼び込んでいます。

私が住んでいるシンガポールには超富裕層がたくさんいて、街中はフェラーリがバンバン走り、エルメスなどの高級バッグを持っている女性もたくさん見かけます。国土が狭く、人口が少ないので超富裕層の人口密度が非常に高く、子供の学校や習い事などでも富裕層と仲良くなる機会は非常に多くなります。そんなシンガポールで知り合った世界のお金持ちから学んだお金とのつきあい方をご紹介したいと思います。

国別で超裕福世帯が最も多いのは

金融資産が1億ドルを超える「超富裕」世帯数
1位 アメリカ(5201世帯)
2位 中国(1037世帯)
3位 イギリス(1019世帯)

全世帯のうち超富裕層の割合が多い国
1位 香港(10万世帯あたり15.3世帯)
2位 シンガポール(同14.3世帯)
3位 オーストラリア(同12.0世帯)

富裕層は「ラテマネー」を極限にまでなくす

「ラテマネー」という言葉を知っていますか。アメリカで有名な資産アドバイザーのデヴィット・バック氏の著書に出てくる言葉なのですが、カフェ代のように、毎日なにげなく使ってしまうお金のことです。一回当たりの単価は500円前途と少なくても積み重ねると大きなお金となり、20日で1万円になります。ラテマネーはカフェ代以外にもコンビニでのお菓子代など自分が思っている以上に大きい場合も多いです。

富裕層はこのラテマネーを極限にまでなくす努力をしている人が多いです。例えば、私が仲良くしているインド人の富裕層は20分歩いて銀行のラウンジを利用するなどをしてカフェ代をゼロに抑えていました。また、外出時も水筒やスーパーで買ったジュースなどを持参してお店で買うということはしません。お金を持ち歩かずに出かけることもあるようです。また、ついつい買ってしまうビニール傘ですが、富裕層は買わずにデパートやホテルや店舗などで借りて後から返すようです。借りていたり、返しに来ている人をよく見かけます。

どうしたらラテマネーをなくせるのか

富裕層は普段からの自分が使えるネットワークを最大限に活用してラテマネーを排除する努力をしています。庶民はどうやってラテマネーを減らすことができるのでしょうか。

私が提案をしたいのはまずはラテマネーを意識化するということです。ラテマネーを把握するにはレシートをもらって記録をするのがよいのですが、細々とした金額を記録するのは大変です。現金でラテマネーを管理すると大変なので、クレジットカードやポイント、電子マネーを利用してMoneytreeアプリでチェックをすると楽です。電子マネーの記録が残って後からまとめてチェックができるからです。思いの外、金額が大きかったという場合もあるでしょう。無意識に使っているお金を自覚することによって、カフェの回数を減らそうなど意識的に行動を変えることができるようになります。

富裕層がしている行動をまねする

いくら使っているかの把握ができたら、具体的な節約の方法は富裕層から真似ましょう。彼らは1日のうちにお金が無自覚に出ていく方法を阻止する方法をたくさん知っています。マイボトルの利用、オフィスのお湯の利用、安いカフェを利用するなどカフェ代を節約する工夫をしましょう。

富裕層の行動でちょっと出かけるといった時にお財布を持ち歩かない、あるいは最低源しか持ち歩かないという人も多いです。例えば、ランニングの時は最低源のクレジットカードと現金しか持ち歩かないなどです。

私もジムに行く時にそうしているのですが、終わった後にスーパーに行こうと思ってお金を持っていないことに気付いて行かずに済んだことが数回ありました。会社に行く時は思い切ってお財布を小銭入れにしてその日に必要な金額と電子マネーだけにするというのも手かもしれません(予備用に1万円札を別途忍ばせてもよいでしょう)。

このように、日常生活の中でも「お金持ち体質」を意識することで、お金との付き合い方が少しずつ変わっていくはずです。是非富裕層の行動を参考に、日々の意識をラテマネーをなくすことに向けてみてください。

筆者プロフィール

花輪陽子

外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。

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