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今からでも間に合う!マイナンバーの基礎知識
制度を知る

今からでも間に合う!マイナンバーの基礎知識

取材の学校 ライター 霜田亮
2016
05
09

平成28年1月からいよいよマイナンバー制度がスタートしました。みなさんも昨年は準備に大わらわだったことでしょう。「一通りは準備をしたけれど、結局マイナンバーって何なの?」「実はまだ準備ができていないのだけど」――まだ、大丈夫です。マイナンバー制度の基礎をおさらいしておきましょう。

そもそも何のためにあるの?

マイナンバー制度では一人ひとりに12桁の番号がつけられる。これはご存知のことでしょう。でも、わざわざ番号をつけてどうするのでしょうか。マイナンバー制度の狙いは大きく3つです。

1.行政の効率化2.国民の利便性の向上3.公平・公正な社会の実現

とはいえ、いきなり大がかりな変更を行うのは大変です。そこで、最初の3年間は、社会保障、税、災害対策の3つに限定してマイナンバーを使っていきます。

では、それがなぜ会社に関係してくるのでしょうか。従業員を雇っている場合、その従業員の所得税や雇用保険、厚生年金の手続きをするのは会社です。それぞれ給与から控除して、年末調整や年度更新のタイミングなどで行政に手続きしています。社会保障や税の手続きを従業員の代わりに会社が行っている。そのため会社でマイナンバーを取り扱う必要があるのです。

まずは何をすればいいの?

マイナンバーを取り扱うといっても具体的には何をすればいいのでしょうか。書類に番号を記載するだけであれば話は簡単です。ところがマイナンバーは個人情報の塊。利用が拡大していくにつれ、多くの個人情報がマイナンバーと紐づけられる予定です。従業員の方もおいそれと会社に番号を教えたくはないでしょう。そこでいくつかの手順を踏むことが決められています。この手順を簡単にまとめておきましょう。

1.マイナンバーを取得する

基本的には本人確認書類とともにマイナンバーを教えてもらうだけです。それなら早速、といきたいところですが、ちょっと待ってください。先に従業員の方への説明が必要です。何のために、どういった手続きにマイナンバーを使うのかをきちんと伝えてください。口頭ではなく、書面で明示して、署名・捺印をもらっておくとよいでしょう。

2.マイナンバーを管理する

「管理をする」=「漏えいさせない」です。手順の中でも最も重要なところで、個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン」に従うのが第一歩です。とはいってもガイドラインは全事業者共通のもの。従業員の数が少なく、マイナンバーを紙で保管している場合など、会社の規模に応じた管理を検討しましょう。

3.マイナンバーを利用する

利用するといっても申請書類に記載するだけです。最新の書類の書式には記載欄があるので間違えることはないと思います。古い書式をひな形として使っているのであれば、この機会に最新の書式を確認しておきましょう。また、従業員に説明した目的以外への利用はダメ。説明が漏れていた手続きがあれば改めて説明をします。

4.マイナンバーを廃棄する

従業員の方が退職した場合など、もうマイナンバーを使わないのであればできる限り速やかに廃棄しましょう。紙に記録している場合は焼却するなど機密書類の処理方法に従います。ハードディスクに保存している場合は少し注意してください。普通に削除しただけでは復元できてしまうのでダメです。ファイル削除用のソフトを導入するなど、復元できないように完全に削除するようにしてください。

以上、マイナンバー制度の基礎知識を駆け足でみてみました。制度はまだ始まったばかりです。今からでも十分間に合いますので、しっかり対策をしていってください。

筆者プロフィール

取材の学校 ライター 霜田亮

1981年生まれ。同志社大学法学部退学。大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了。中小企業診断士、弁理士、社会保険労務士。2016年4月独立開業。弁理士として多くの技術を見てきた経験を活かした製造業の支援が得意。「技術力を経営力に変えるお手伝い」をモットーに、事業計画作成や資金調達など多岐にわたって企業のサポートをしている。趣味は筋トレ。虚弱体質改善のため昨年からジムに通い始めたものの体力アップではなく、マシントレーニングにはまる。最近ようやくシックスパックの兆しがみえてきた。

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