ブログ
/
おつり投資、ロボアドバイザーってなに?
将来に備える

おつり投資、ロボアドバイザーってなに?

風呂内亜矢
2018
10
12

金融(Finance)と技術(Technology)の造語であるFinTech。テクノロジーを使って金融の利便性を高める動きが広がっています。資産運用の世界においても、小口で投資ができたり、判断や手間を軽減したりするサービスが増えています。そこで、今回は新しい投資系サービスをご紹介したいと思います。

投資のハードルを下げる小口投資サービス

・買い物のおつり分で投資
TORANOTEC株式会社の「トラノコ」、ウェルスナビ株式会社の「マメタス」など、日々のお買い物で発生するおつりを投資の原資にするサービスがあります。おつり計算の単位を100円、500円、1,000円などに設定し、単位に応じたおつりを集計し、月1回、自動で投資を行うスタイルが標準的です。320円の買い物をしていた場合、設定しているおつりの単位が100円であれば80円、500円であれば180円、1,000円であれば680円がおつりとして集計されます。

なお、マネーツリーはMT LINKと呼ばれる企業向けサービスを通じ、これらのサービスと連携しています。「トラノコ」や「マメタス」の利用者は、Moneytreeに登録しているクレジットカードの利用履歴を元に、おつりを自動的に集計する仕組みになっています。

・貯めたポイントも資産運用に
楽天株式会社の「楽天スーパーポイント」、株式会社NTTドコモの「dポイント」など、ポイントを使って投資ができるサービスも増えています。ポイントで投資をする方法は大きく2つあります。例えば、楽天スーパーポイントで行う投資では、投資信託の現物を購入するため、売却すると現金が手元に戻ります。dポイントの「ポイント投資」では、投資でdポイントを増やすスタイルで、売却(引出)するとdポイントとして戻ってきます。ポイントを現金さながらに投資できるものと、あくまでポイントとして投資体験をするものに分かれます。なお、同じ会社が両方のサービスを提供している場合もあります。

・1,000円から会社の株が買える
株式の取引は通常、100株の単元と呼ばれるひとまとまりの単位で行いますが、株式会社One Tap BUYの「One Tap BUY」では1,000円単位で株式を購入できます。例えば値の張る銘柄として有名なキーエンスだと1単元購入するのに6,418,000円(2018/9/26終値)が必要となり、1つの銘柄に投じる金額としては勇気が必要です。1単元分は買えないけれど、そのうち1,000円にあたる持ち分だけ購入するのであれば、敷居が下がります。

投資のリスクは購入金額でコントロールする

投資でリスクをコントロールする最も重要な要素として「投資する金額で調整する」という考え方があります。1,000円しか投じてなければ、通常、自分が負うリスクは1,000円です。価格変動があっても怖いと感じない金額だけ投資をすることで、価格の推移を冷静に捉えることができ、慌てて不利な時に売却をする事態などを避けることができます。

おつりやポイントでの投資、1,000円からの株式投資などの、テクノロジーによって投資単価が引き下がることは、こうした、投資金額でリスクをコントロールすることに役立ちます。

判断や手間をロボットに代替させるサービス

ウェルスナビ株式会社の「WealthNavi(ウェルスナビ)」、株式会社お金のデザインの「THEO(テオ)」などに代表される、ロボアドバイザーも増えてきています。ロボアドバイザーでは、いくつかの質問に答えることで自分に合う資産配分をアドバイスしてくれる診断の機能と、診断結果から実際の投資操作や以降の資産配分の調整を自動で行ってくれる投資一任の機能まで備えているものがあります。

診断までは無料で行えるものが多いため、売買そのものは自分で行いたい人も、判断の助けにしても良いかもしれません。

さらに、最近では、投資信託に組み込む銘柄や売買などをAIに考えさせる商品もあります。まだそれほど種類がありませんが、ゴールドマン・サックスの「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略シリーズ」やアストマックス投信投資顧問の「Yjamシリーズ」などがあげられます。市場動向や検索情報などビッグデータをロボットやAIで分析し、投資を行う投資信託商品です。

ロボだから正しいわけでもないし、手数料などは高い傾向

これらの比較的新しい投資サービスは、技術は確かに新しいものが用いられていて、今後の投資先としても、その動向を注視したい存在といえます。一方で、技術が最先端で、判断をロボットに行わせているからといって必ずしも正しいとは限りません。

先日、関西学院大学大学院経営戦略研究科の岡田 克彦教授にお話をうかがったところ、ロボットは既にあるデータを使って分析することはできるが、まだデータの無い未来を予測することは難しいと教えてくださいました。ロボットは、人間が感情で不合理な判断をしてしまうことを除外するのことに、大きく貢献してくれるそうです。

また、現状、新しいサービスの多くが、手数料などがやや高くなってしまうケースが多いです。ロボの判断が絶対ではないこと、小口化や手間の省略と支払う手数料が見合うかなどを天秤にかけつつ、付き合っていけると良さそうです。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

この記事をシェアする

当社ウェブサイトは、外部サイトへのリンクを含んでおります。リンク先サイトでの個人情報への取扱いに関しては、そのリンク先サイトでの個人情報保護方針をご確認ください。 当社の個人情報保護方針はそのリンク先サイトで提供されている内容に責任を負うものではありません。

Get the Moneytree app
ポイントも電子マネーもまとめて管理
さっそくMoneytreeを試してみよう

人生100年時代を支えるために
Moneytreeで資産管理を始めよう

関連記事