HSBCホールディングスなど、外資系銀行が個人の銀行業務から次々と撤退をし、日本で利用できる外資系銀行のサービスは限られています。これに対し、香港やシンガポールにはHSBCホールディングスやシティバンクなどを始めとした外資系の総合銀行が多数ある上に競争の原理が働いて地場の銀行のサービスも多用です。また、香港やシンガポールなどタックスヘイブンと言われる国では投資による収益が無税や非常に低い税率になる場合もあります。
ブルームバーグ社の「世界銀行番付」(2015)を見ると、10位内にアジアの金融機関が5行ランクインしており、1位は香港のハンセン銀行(恒生銀行)、2位は日本の農林中央金庫、3位はシンガポールの華僑銀行(OCBC)、9位のDBS銀行と10位の大華銀行(UOB)もシンガポールの銀行でした。世界のランキングを見ると、日本の金融機関が以外にも少ないのですね。
ブルームバーグ社が発表した「世界銀行番付」(2015)1. Hang Seng Bank (Hong Kong)2. 農林中央金庫 (Japan)3. Oversea-Chinese Banking (Singapore)4. National Commercial Bank (Saudi Arabia)5. Desjardins Group (Canada)6. Capital One Financial (U.S.)7. Qatar National Bank (Qatar)8. OP Financial Group (Finland)9. DBS Group Holdings (Singapore)10. United Overseas Bank (Singapore)
日本の銀行のサービスはほとんど横並びですが、海外の金融機関では投資商品の種類も多く、預金額が多い顧客へのサービスも手厚いです。例えば、シンガポールでは預金額が約1,600万円以上ある顧客に対してプレミアムサービスを実施し、銀行のラウンジなどが使え、コーヒーやクッキーなどを振る舞うなどの金融機関もあります。
ラウンジの他にも融資金利、為替手数料などで優遇を受けられる金融機関が多いです。金融機関が発行するクレジットカードの競争も激戦で、ショッピング時のポイント還元の他にもショッピングモールなどとタイアップをして駐車場無料やバウチャーの配布など様々なプロモーションが頻繁に行われています。そのため、クレジットカードを複数枚保有し、使い分けている達人も多いです。
2010年頃、日本の旅行者が海外旅行の際に香港やシンガポールで銀行口座を開き、金融商品を購入するというツアーが流行りましたが、現在は旅行者がこういった国々の金融機関で口座開設するのは、以前よりは難しくなっています。銀行の口座開設にはビザ、パスポート、公共料金の領収書などに加えて、保証金が必要なケースが多いです。
日本円で8万円程度など最低預金額の預け入れを要求する(残高を下回ると維持費がかかる)銀行も一般的です。口座開設は厳しい上に複雑なので香港などの金融機関ツアーを開催している紹介者を介して口座を開けるか、海外に駐在や留学などで居住をする際に口座を開き、閉鎖しないで維持をするというのがスムーズかもしれません。
ただ、税金が著しく低いタックスヘイブンと言われる国に口座を開けたとしても、日本に住んでいる限りは日本で税金を納める必要があるために税金のメリットをあまり受けることができないのは注意点です。しかし、海外勤務などで日本の非居住者になっている期間は税率が低い国に住むことによって税金のメリットを受けられる場合があります。また、税金以外にも海外の金融機関は投資商品のラインナップが豊富だったりして魅力は多いです。
海外に口座を持つのはハードルが高いという場合は、日本のオンライン証券などを利用するのも手です。日本のオンライン証券でも多くの海外証券の取扱があるからです。オンライン証券でUSドルなどに両替をしてからニューヨーク取引所に上場をしている商品を購入することも可能ですし、海外の株式や債券を組み入れた円建ての投資信託を購入するのも一つの手です。
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外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。
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