2015年4月原宿駅に立ち並んだ胸キュン看板が話題になったのを知っていますか?女子が大好きな胸キュンシーンで、イケメン高校生が単純なパスワードの見直しを語りかけ、パスワードの大切さを訴えました。「パスワード−もっと強く君を守りたい−」と題し、若者のセキュリティー意識向上を狙ったキャンペーンでした。
年々インターネットの不正アクセス件数は増加しており、その中でも、利用者のパスワード管理の甘さにつけこんだものが最も多い傾向にあります。情報技術の進化とともに、私たちが守るべき情報は増えてきており、世の中全体で情報セキュリティーへの意識が高まってきています。
ヨーロッパではもともと「個人情報は個人のもの」という考えが根付いていたのですが、さらにその考えは尊重されるようになってきています。特に去年から国外へのデータの移転をどうするかという議論が活発になりました。
「個人情報は個人のもの」という考えは東西ドイツの併合からスタートしています。社会主義の東ドイツと資本主義の西ドイツが統一された時に『個人データの所有権は誰にあるんだ?』という議論が生まれ、『所有権は個人にある』という結論に至りました。さらにその考えは進み、EU域外への個人情報の持ち出しは、移転先の国が十分な個人情報保護をしていると認められた場合のみ認められるようになっています。日本はまだEUに認められておらず、世界基準からみると遅れをとっています。
「データプライバシーデー」という日をご存知でしょうか?2008年にアメリカとカナダで、EUの”データ保護の日”(Data Protection Day:1981年1月28日、「個人データの自動処理に係る個人の保護に関する条約」がEUで調印されたことを記念する日)から派生してオンラインプライバシー意識向上を目指す取り組みとして、誕生しました。この流れを受けて、日本でも2010年から「データプライバシーデー・ジャパン実行委員会」が設立され、2016年より公式ホームページでプライバシーの保護とデータ尊重の取り組みが紹介されています。マネーツリーも「セキュリティー・プライバシー・透明性」を重視する企業として取り組みに賛同しています。この流れは、今後世界中に広がっていくでしょう。
無料のアプリは登録した個人情報データを元に「バナー広告」を出し、「こういうお勧め商品がありますよ」などと営業するのが一般的です。日本では、「無料アプリを作成した企業が収益を得るために、登録された個人情報を元にバナー広告を出すのが当たり前」と考えられることが多いですが、マネーツリーは創業時から、「個人情報は個人のもの」という考えを徹底しており、無料アプリでありながら「バナー広告は一切出さない」と決めていました。
「個人のデータは個人のもの」というマネーツリーの考え方は世界基準。世界中でこの考えが定着してきています。この考えを元にした新しい経済圏生まれ、そこでは今までのようにバナー広告を出して無料のアプリを作る企業は減っていくと予想されます。どういうことかと言うと、『個人の個人のもの』という考えが加速すると、自分のデータを自分で活用する動きが活発になり、それにあわせてサービスを作る動きが生まれます。この流れは、次のインターネットの第2波と言われ、ヨーロッパからはじまっています。
2016年には欧州議会では情報保護に関して以下のルールが新たに可決されました。・検索サイトから個人情報の削除を求めることができる「忘れられる権利」・個人データを処理する際に「明確で肯定的な本人の同意」を得ること・別のサービス提供企業に自分の個人情報を移転できる権利・自分の情報がハッキングされた時期を知る権利・プライバシーポリシーを明確でわかりやすい言語で説明すること・規則違反に対して、企業の全世界売上の最大4%の罰金を課すこと
Apple社やGoogle社のようなアメリカ企業はヨーロッパにデータセンターを置いて、この流れに取り残されないようにしています。近い将来、この新しいマーケティングの波は日本にも到達します。ポイントカードを作って、個人のデータと紐づける代わりに数円分のポイントをつけるようなマーケティングは過去のものとなってくるでしょう。これからの日本の企業も消費者も、意識の転換が求められています。
続いて、個人情報に関する世の中の流れに対して、マネーツリーがどのように取り組んでいるかを、ご紹介したいと思います。
前半では、ヨーロッパを中心に個人情報保護の動きが加速している、という話をしましたが、私たちが実際に日本で使うアプリではどうでしょうか? あなたはスマホでどんなアプリを使っていますか?人によって様々なアプリを使っていると思いますが、あなたの使っているスマホアプリのセキュリティは大丈夫でしょうか?
スマホアプリをインストールするとき、ポップアップ画面が出てきてアクセス許可を求められる場合があります。よくあるのはGPSで位置情報と連動したアプリです。位置情報と連動してゲームが楽しめる「ポケモンGO」はその分かりやすい例ですね。アクセス許可を求められる項目は様々ですが、そのアクセス許可の内容、毎回ちゃんと確認していますか?
このアクセス許可を使って個人情報を狙う危険なスマホアプリは存在します。極端な例を挙げると、写真加工アプリなのに、電話番号や電話帳、端末IDのアクセス許可を求めてくる中国製のアプリ。写真加工アプリを立ち上げていると、いつの間にか電話帳の個人情報が抜き取られている...なんてこともあり得るのです。
先ほど挙げたアプリは極端ですが、あなたの過去に入力したデータや行動がアプリを介して分析されている場合があります。多くのアプリで出される、バナー広告です。バナー広告は、過去のWebサイトの閲覧履歴から、あなたが興味をもつ確率の高い広告を出していく、行動ターゲティング広告と呼ばれる手法が使われています。許容できる範囲は人それぞれかもしれませんが、あなたのデータはこのように色々な場面で使われているのです。
プライバシー保護について怖い話をしましたが、マネーツリーは安心。創業当初からアプリ開発と同じくらい個人情報保護の運用に最も力を入れてきました。『利用者の個人情報は利用者のもの』という考え方を徹底していて、利用者の許可なく個人情報が使われることは絶対にありません。マネーツリーでは、マネーツリー側から、利用者が登録しているサーバー内の情報へのアクセスを制限することで、お客様の保有資産情報が確認できないような仕組み作りを行っています。
まず、個人情報使用時には利用者の意思確認を確実に行います。例えば、『確定申告の時期が近づいてきたからマネーツリーで入力したデータを使いたい』といった利用者は、自分の意志でデータを使い、会計ソフトを使って確定申告を簡単に済ますことができます。マネーツリーは会計等のソフトと連携する場合には、必ず利用者の意思確認をします。勝手に個人情報が使われることは絶対にありません。
次に、マネーツリーはバナー広告を一切出しません!個人資産管理のアプリでバナー広告が出てきたらなんとなく嫌じゃないですか?個人資産情報が分析されて、広告と紐付けられているように感じてしまいますよね。でも、マネーツリーはバナー広告を打ちません。利用者からすると安心ですよね。
『では、バナー広告の収益がなくて、マネーツリーはどこから収入を得ているの?』という疑問が聞こえてきそうですが、マネーツリーは提携している企業(MTLINKを接続する企業)や個人向け有料サービスから収入を得ているので、広告収入は必要がないんです。さきほど確定申告の際に会計ソフトと連携する例を挙げましたが、提携している会計ソフトを使えばマネーツリーに入力した情報と連動しており便利なので、必然的にマネーツリーの利用者はその会計ソフトを利用することが多くなります。このような連携によりマネーツリーは、その提携先の企業から収入を得ています。
さらに、第三者の審査機関の審査が行われています。耳にしたことがある人は少ないかもしれませんが、TRUSTe(トラストイー)という審査機関があり、事業者が公表したプライバシーステートメントの内容を審査し、適合した事業者はTRUSTeの認証マーク(TRUSTeマーク)をウェブサイトに掲載できるというもの。マネーツリーはiOS, Androidなど、複数OSでの審査を取っており、個人情報の安全性が確保されています。信頼の証であるこのTRUSTeマークですが、掲載しているアプリやウェブサイトはまだそれほど多くありません。今後、個人情報保護の動きが加速していくと、第三者の審査機関を通っているかが重要視される時代が来るかもしれませんね。
いかがだったでしょうか?個人資産の情報を扱うマネーツリーだからこそ、ここまで徹底した個人情報管理。もっと詳しく知りたい方はマネーツリーの利用規約を読んでみてくださいね。利用規約もマネーツリーのこだわりの一つ。専門用語を一切使っていないので、専門知識を持たないどんな人でも理解できるような文章になっているのです。
マネーツリーがここまで徹底した個人情報管理をしているとわかると、これからも安心してマネーツリーを使うことができますね!
執筆者:取材の学校 ライター 松本典子
青山学院大学国政政治経済学部卒業後、国際基督教大学で教育学を専攻。介護事業運営会社に勤務。人事として従業員が働きやすい職場づくりを目指して勤務。中小企業診断士。